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ベイヤーあるいは「ないものを見せる技術」(1)
まずはそこそこ真面目に考えてみる。。

デジカメの世界では、ベイヤータイプの撮像素子がいまだ主流を占めている。
長い目で見れば技術発展中の一時期に採用された便宜的なものとなるだろうと信じているこの方式だが、まだまだ廃れていく気配は見せない。

銀塩写真とベイヤータイプデジカメの画像には、アナログ対デジタルという構図に加えて更にもう1段大きな違いがある。
銀塩写真もFoveonデジカメの画像も、ある1点(単位面積)に受けた光(可視光線)を忠実に記録・再現しようとしているわけだが、ベイヤータイプデジカメはそうではない。(どれだけ「忠実」にこだわっているかは、まあ別問題としよう)
1点に受けた光、その色の大部分を記録せず、計算で再現しようとしているのだ。
一度捨てた情報を計算で推理する、言い換えれば「ないものを見せる」技術である。



どう計算したらそんなことができるか、考えると非常に難しい。
近くの点と比べて平均値を取るくらいなら簡単にできるが、やってみるとそれだけでは全然ダメな画像になる。
実際デジカメや現像ソフトではかなり複雑な計算をしているらしい。
実製品の吐き出す画像を見ると、よくもここまで的確に元の値に近づけるものだと感心する。

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そんなデジカメ画像だが、人間の目は推理ミス「偽色」をめざとく見つけてしまう。
なぜそんなものが見えてしまうのだろう?
「正しい色」を知っているはずはないのに、なぜ「正しくない」と思うのだろう?
そこを突き詰めていけば、正しくはないまでも、より「自然に見える」画像を作り出すことができるのではないだろうか。

正しくないと感じる色、それは言い換えれば、経験上期待したのと異なる色である。
ではどういう色を期待しているのか?
1. まず基本的には、画像の中の1点は周りの点と似た色であると思っている。
2. そうでない場合というのは、同様のパターンが画像内に繰り返される場合だ。
  線が続いている場合や、模様が変形しつつ繰り返すなど。

2.について、例えば「湾曲した屋根の瓦」を見た場合で考えよう。
視線と垂直に近い部分の瓦は大きく見えるが、平行に近づくとどんどんその間隔が狭まり、ついには1枚1枚が線のようになって判別できなくなる。
そういう「だんだん間隔が狭まる境界線」が見えることを、デジカメ画像で見た場合にも期待する(してしまう)のだ。
洋服生地に現れるモアレもそう、それがモアレであると認識するのははっきり見えている柄を変形して得られるのとは違うパターンが画像に表れているからだ。

ここでの結論(というか推論):
ベイヤータイプの現像処理では、パターン認識の技術を応用できれば現在の製品より自然に見える画像を得られる...はず。

たぶんそこまでやっている製品はまだないのではないだろうか?
まともにやると、おそらく処理時間が現実的でなくなるような気がするし。

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まだまだ「人間の期待」は奥が深い。
3番目の「期待」について、次の記事で考えよう(今度はあんまり真面目じゃない)
by enu_blog | 2005-01-20 00:35 | 日々想フ
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